新GM動力調整法
- 2モーター式GM製動力ユニットの性能を安定させる実験です。
通常の1モーター動力は左右の伝達力差はほぼ0(ゼロ)ですが、2モーターでは左右の集電距離の差や、モーター自体の個体差で左右台車の動力差が少なからず発生しています。
メーカーから発売されている状態では、左右の構造を共通にしてそれぞれのモーターに同じ仕事をさせていますが、モーターに個体差があることを許容するためには、左右の台車で別の仕事をさせた方が安定するのではないかと考え、以下の組み換えを行ってみました。
新GM動力です。GM製京急新1000形以降の完成品と冨士模型阪急9300系、クロスポイント製品の一部、丸ノ内線500系用動力が該当します。
裏側から見た状態です。
赤マルの部分がゴムタイヤです。これを移動させます。
※なぜ、移動させるのか?
製品の状態では左右それぞれ3軸ずつが集電しています。これを維持することを前提にして組みかえるには、1軸両側をゴムタイヤにするか、実験のように向かい合わせにするしかありません。
Nゲージの動力台車は、ギアの回転方向やトルクのかかり方によって、台車向かって進行方向の軸がメインになって動きます。(向かって後ろの軸は若干トルクが落ちます。)
つまり、台車の左右バランスをとらないと、前後どちらかの走行に支障が出ます。
実際実験してみましたが、ゴムタイヤ車輪のみの軸を後ろにして走らせると、うまく動力伝達しませんでした。
と言う結果を踏まえて、以下のような軸配列になっています。
※また最近発売されたKATO製E4系や近鉄10100系等の、比較的長い編成を1台車で駆動する製品にこのゴムタイヤ配列が見られます。
(KATO製叡山電鉄900形きららは2両固定のため片軸のみ。)
台車を分解します。
ゴムタイヤ付車輪のひとつを分解します。
大してきつく刺さっていないので、工具なしでも分解可能でした。
左右を入れ替えて組み立てます。
写真のように組み立てます。
左がメインの駆動台車に、右が集電兼補助駆動台車となります。
これで一旦試運転をしてみます。双方のバランスを見て、左右の台車を交換するなどの調整をしてみます。
先日、某レンタルレイアウトで、18m級GM動力6台を持ち込んで、走行させつつ調整してみたんですが、若干調子の良くないもの5台は改善されたんですが、調子の良かった1台は逆に劣化しました。
必ず改善されるというものではありませんが、音がうるさかったり、ラピッドスタートな物を直したい場合は試してみてください。
なお、分解、加工、調整は自己責任でお願いします。