GM動力(第2世代)にボディマウントTNカプラーを取り付ける
- 現行のGM製動力で唯一(17m級を除く)TNカプラー取り付け台座のない1モーター式GM製動力ユニット(第2世代・18m級)にTNカプラーを取り付ける方法を考えてみました。
京急新600形発売(1996年)と同時に製作された新動力ですが、この動力はボディマウントTNカプラーの取り付け非対応でした。(このあと発売された20m級動力には取り付け台座があります)
発売当時はTNカプラーがそれほど普及していなかったのが理由だと考えられますが、実際18m級動力に取り付けようとすると台車に干渉してしまい、カプラー自体の加工も必要になります。
(現に20m級動力で要TN化の製品の一部には、台車を180°反転させて取り付けるなどの対策が必要でした。発売当時のキハ110系等)
TNカプラー自体は床板に接着してしまっても何ら問題はありませんが、このタイプの動力の場合はダイカストブロックを固定するネジがこの部分に当たるので、メンテナンス性を考慮すると着脱可能にしておく方が便利です。
最終的にはどんな方法でも取り付けられればいいんですが、極力スマートな形状になるよう考えてみました。
※分解、加工、調整は自己責任でお願いします。
○用意するもの
・GM製動力ユニット18m級
・TNカプラー(0331~0335、0371・0372、JC25~JC30などの標準的な物)
・エバーグリーンプラ材(0.5×1.5、1.0×2.5、0.25×2.5、0.25×0.75)
動力ユニットを分解します。
分解手順は、台車を外す→ダイカストブロックのネジ→モーターブロック→集電板&コンデンサ
TNカプラーの妻板裏からの長さを計測します。
標準タイプで8.35mmです。
取り付け脚部分が5.4mmなので、妻板側は差し引いて2.95mmになります。
ノギスでそれぞれの寸法にキズをつけておきます。
写真の状態まで削ります。
縦方向は裏の段差まで、幅方向は少し残しておきます。
エバーグリーンのプラ材0.5×1.5を10mmに切り出し、妻側にそろえて左写真のように接着します。
続いて1.0×2.5を6mmに切り出し、右写真のように接着します。
さらに嵩上げをします。TNカプラーを床板とツライチにするには0.25×2.5を8.5mmに切り出し、2枚重ねて使います。
組み立てる車輌によっては台枠の厚さに合わせて0.25mm刻みで増やしていきます。
作例では3枚重ねて0.75mmにしています。
側面は貼り付けたプラ板の位置まで削ります。
ここでTNカプラー内側の幅になりますので、削りすぎないように注意。
次いで、TNカプラーが載る面を妻面側に向かって全体的に平らに削ります。
TNカプラーを取り付けるツメを取り付けます。
0.25×0.75のプラ材を1.0mmに切り、仮付けしたTNカプラーのツメ受けの穴の中に接着します。
TNカプラーが密着するように、ツメは上に寄せます。
接着された後、ツメがはがれないようにTNカプラーを外し、キサゲ刷毛ではみ出た接着剤を軽くとっておきます。
続いてTNカプラー本体の加工です。
左は復元バネを残した状態。先頭に出る場合はこうしておきます。
右は復元バネごと撤去した状態。
中間車ならこの状態が台車の加工が少なくて楽です。
台車の加工
まずカプラーポケットを左写真のように全カットします。
前後のディテールが同じ台車なら反転して使えるのでここで完了です。
前後の形態が決まっている台車の場合はさらに進めます。
右写真のように、バネ受けのあたりのパーティングラインまで削ります。
パーティングラインから上を斜めにカットし、さらにTNカプラーに干渉しそうな部分を斜めに削っておきます。
これは新動力(2モーター)もTN化の場合はこのように加工すると走行への支障が減ります。
左がカプラーポケットを加工した場合、右が台車自体を反転させた場合です。
取り付けが完了しました。
非常に地味な作業ですが、メンテナンス性との両立を目指すとこうなりました。
せっかく分解したので、床下機器を取り付け、塗装してから動力を組み立てると、より一層TN台座がスマートに仕上がると思います。