鉄コレ動力にボディマウントTNカプラーを取り付ける
- 汎用性の高い鉄道コレクション用動力ユニット(17m級・18m級)に、TOMIXのボディマウントTNカプラーを機能を損なうことなく取り付ける方法を考えてみました。
一般的な動力台車は台車の2軸間のギアに、モーターからの動力を伝達しますが、鉄道コレクション用動力ユニットは台車の動力伝達位置が外側の動輪になっています。
HOゲージなどではよく見られる駆動方法ですが、Nゲージサイズでこの方式にすると台車の外いっぱいまでギアボックスになってしまい、台車と床板のすき間を利用するボディマウントTNカプラーがそのままでは取付できません。
そこで、以下のような方法を考えてみました。
18m級動力への2連時の簡易施工はこちら
15m級動力への施工はこちら
※この加工は動力機構に直接加工をするので、自信・経験のない方にはお勧めしません。加工・調整は自己責任でお願いします。
※○○m級動力(通常台車)を同じ○○m級の車輌に使用する場合は、復元バネを丸ごとカットすれば動力機構に無加工で取り付けできますが、復元バネの効果(センターにキープしておく。)がなくなり、走行の振動で左右に触れてしまうので先頭に出る車輌には向きません。
※BONA.FIDE.PRODUCTSから鉄コレ動力用のTNカプラーアダプターが発売されています。特にTNカプラーの機能(バネ復元等)自体にこだわらない場合はこちらを利用する方が簡単です。
○用意するもの
・鉄道コレクション用動力ユニットTM-05、TM-06、TM-07のいずれか
・シャフト(TOMIX JF03)=17m級 (TOMIX JF04)=18m級
・TNカプラー(0334) (0335) (JC28)
17m級動力ユニットの製品状態です。
加工例は17m級動力ユニット(TM-07)ですが、他のTM-05、TM-06も加工内容はほぼ同一です。
ウェイトを外します。
シャフトの可動範囲が変わってしまうので、このウェイトは使えません。
ウェイトは左右のツメを拡げると簡単に外れます。
台車を加工するために外しますが、手順が面倒なので順を追っていきます。
まずはギアボックスのフタを外します。
シャフトとギアを外します。
横にスライドすると外れます。
台車の裏板を外し、バラバラに分解します。
台車の下半分の構造は通常の台車と同じです。
ギアボックスのシャフトを抜き、ギアを2個外します。
シャフトは片側からしか抜けません。
ギア用のシャフトが車輪に接触しないように出っ張っている部分を削ります。
(赤丸の部分)
赤線でカットします。
割れやすい素材なので、作業は慎重に。
右がカットした状態です。
断面はヤスリで仕上げておきます。
左→右のようにカットします。
同じく左→右のようにカットします。
底板も同じように、左→右のようにカットします。
台車を組み立てます。
ギアが露出した方が外側です。
続いてギアボックスを組み立てます。
カットした断面をヤスリで平らにし、ギアを取り付けます。
ギアユニットを組み立て、2組揃いました。
ギアボックスをこの位置に接着します。
台車とギアボックスの向きに注意してください。
TM-05、TM-06は中心、TM-07は台車センターのギアが一回り大きいので、若干後ろに接着します。
接着は軟質プラ用か瞬間接着剤を使用しますが、組み立てたギアの中に流れ込まないように注意して下さい。
TM-06はギアユニットが集電板に少し干渉しますので、赤い部分をカットします。
17m級は無加工で問題ありませんでした。
台車側も集電板に当たる位置をカットします。
赤丸のツメの下部をカットし、左→右のようにします。
シャフトを用意します。
17m級はTOMIX JF03(400系用)の短い方、18m級はTOMIX JF04(20m級用)を使用します。
下からスライドして台車を戻します。
一緒にシャフトを組み込みます。
組み込みが完了した段階で、試運転しておきます。
不具合があれば調整します。
次はTNカプラーの取り付けへ
TNカプラーを赤線の位置でカットします。
復元バネの周辺を台車に当たらないように削ります。
※この加工はTM-07のみ
必要な長さのスペーサーを準備します。
スペーサーを取り付けたら、車体に仮組みします。
※スペーサーは、動力ユニットに接着すると分解に支障します。
取り付け位置の確認
加工したTNカプラーを瞬間接着剤で取り付けます。
第4弾の大井川312系は、前面の後退角でTNカプラーが若干後ろよりになりますので、台車に干渉しないか確認しながら作業します。
元のウェイトは外してありますので、屋根裏にGMキットの余剰ウェイトなどで適宜補重します。
カプラーの作動確認をして作業完了!!
かなり面倒な作業ですが、これでTNカプラーが取り付けられるようになりました。
動力の動作結果ですが、TM-07がTOMIXのR243が若干厳しい以外は、R243以上の半径は通過可能でした。
TNカプラーと台車の当たる部分を加工すればR243も通過可能になります。