鉄コレ動力にボディマウントTNカプラーを取り付ける2
- 汎用性の高い鉄道コレクション用動力ユニット(15m級)に、TOMIXのボディマウントTNカプラーを機能を損なうことなく取り付ける方法を考えてみました。
一般的な動力台車は台車の2軸間のギアに、モーターからの動力を伝達しますが、鉄道コレクション用動力ユニットは台車の動力伝達位置が外側の動輪になっています。
HOゲージなどではよく見られる駆動方法ですが、Nゲージサイズでこの方式にすると台車の外いっぱいまでギアボックスになってしまい、台車と床板のすき間を利用するボディマウントTNカプラーがそのままでは取付できません。
17・18m級動力に続いて15m級にも試してみました。
17・18m級動力への施工はこちら
18m級動力への2連時の簡易施工はこちら
※この加工は動力機構に直接加工をするので、自信・経験のない方にはお勧めしません。加工・調整は自己責任でお願いします。
※BONA.FIDE.PRODUCTSから鉄コレ動力用のTNカプラーアダプターが発売されていますが、取り付け部分の形状がそのままでは対応していません。
○用意するもの
・鉄道コレクション用動力ユニットTM-02、TM-04のいずれか
・シャフト(TOMIX JF03)
・TNカプラー(JC56)
15m級動力ユニット(TM-04)の製品状態です。
加工例はTM-04ですが、TM-02も一部の部品構成が異なりますが加工内容はほぼ同一です。
モーターとシャフトを外します。
モーターは左右のツメを拡げると簡単に外れます。
台車を外します。
少々強引ですが、片方ずつツメを外します。
基本的な分解が済みました。
使用する車輌に合わせて床板を加工します。
作例はkitcheNの琴電1000系です。
前後の調整と幅を詰めます。
床板が入るか確認します。
赤い部分の集電板用ピンと補強部分を削ります。
モーター取り付け部を上部に延長するため、幅を計ります。約1.5mm
ノギスでマーキングし、赤線でカットします。作業は慎重に。
カットした状態です。左右で同じ高さになるように仕上げます。
TNカプラーを取り付けると、復元バネが邪魔になり台車が外せなくなるので、片側ずつ0.5mm程度の斜めの切込みを入れておきます。
モーターを水平に取り付けるため、写真の位置にt1.0mmのプラ板を貼ります。
台車の裏板を外し、バラバラに分解します。
台車の下半分の構造は通常の台車と同じです。
ギアボックスのシャフトを抜き、ギアを2個外します。
シャフトは片側からしか抜けません。
ギア用のシャフトが車輪に接触しないように出っ張っている部分を削ります。
(赤丸の部分)
赤線でカットします。
割れやすい素材なので、作業は慎重に。
右がカットした状態です。
断面はヤスリで仕上げておきます。
左→右のようにカットします。
同じく左→右のようにカットします。
底板も同じように、左→右のようにカットします。
ギアボックスを組み立てます。
カットした断面をヤスリで平らにし、ギアを取り付けます。
続いて台車を組み立てます。
ギアが露出した方が外側です。
ギアボックスをこの位置に接着します。集電板とギアボックスのツメ位置が揃うように。
台車とギアボックスの向きに注意してください。
接着は軟質プラ用か瞬間接着剤を使用しますが、組み立てたギアの中に流れ込まないように注意します。
続いてTNカプラーを加工します。幅の狭いJC56を用意します。
床板のカプラー用の逃げに合わせた形状にカットしていきます。
台車寄りの不要部分もカットします。
フランジに干渉しないよう、赤線でカットしておきます。
ツメを割らないように注意します。
床板を仮付けして、TNカプラーを接着します。
床板に集電板を取り付けます。
台車を取り付けます。
元の位置とは逆になります。(ウェイトのない方が駆動台車)
切り込みを利用して、捻りながら丁寧に取り付けていきます。
ウェイトも合わせて。
TOMIX JF03(400系用)の短い方のシャフトを用意します。
写真は2本ですが、片軸モーターなので1本使用します。
最後にシャフトとモーターを取り付けて完成です。
車体を取り付けてみました。
これで、琴電の醍醐味である異形式併結が小型車でも可能になりました。
動力の動作結果ですが、TOMIXのR243程度であれば余裕で通過可能でした。